舌が痛む原因は様々ですが、舌に口内炎ができたり、貧血でただれたり、入れ歯や虫歯の縁が接触して潰瘍(かいよう)ができたり、かびの一種が増殖するカンジダ症などの病気で痛む場合は、舌の表面や色の変化が現れます。
舌痛症は、これらと異なり、見た目に異常がないのに、しつこい痛みを感じます。舌の先や縁がヒリヒリするのが典型的な症状ですが、なぜか食事の時には痛みを感じません。最近、患者が増えて、大半が中高年の女性です。
原因ははっきりしません。しかし、神経質で舌がんを心配しすぎる人に目立ち、神経症やうつ傾向もしばしばみられるので、心因的要素が比較的強いと考えられます。
また、舌を歯に押し当てたり、歯並びの悪い所や歯石のざらざらした表面を気にしてなめる癖、義歯のとがった部分で舌がこすれるなど、舌に刺激が加わる局所的な原因も考えられます。舌痛症の場合、舌がんの不安をお持ちでも、心配は無用です。
治療は、まず義歯の調整など歯科的な治療を行い、舌を刺激する癖をなくします。そのうえで、炎症を抑えるうがい薬や鎮痛薬を使うと、痛みがとれる場合が結構あります。
それで改善しなかったり、不安など心因的な要素が強い場合は、抗不安薬や抗うつ薬を使うのが良いでしょう。
血液中の亜鉛が不足すると、変な味がしたり、味が分からなくなる味覚障害を伴って、舌痛症になることもあります。この場合、薬を飲んで亜鉛を補充します。
舌の先に痛みが集中している場合、私たちの病院では、表面が滑らかなプレートを下あごの前歯の裏側にはめます。それだけで、楽になることもあります。
歯科口腔外科の専門医に相談してみてください。